一升瓶の中の海月

気分で更新される思考の投函口

冬の薪の終わり

 

 

ようやくあの冬が終わったんだなって

 

 

 

 

あるものは「生き残りたい」と願った。

その出来事は私が死ぬ程忙しい時期に起こり、必死になって重厚な物語を薄い束に纏めて頒布したりもした。

結果として今もなお、勝者も、それ以外も、何らかの形で夢を選び、今を幸せに歩んでいる。

 

…こう断言していいのかも正直わからない。

少なくとも一つの砦を私は今も心配しているし、いつか言葉を紡いでくれると信じている。

 

 

 

あるものは「娘になりたい」と願った。

対価を捧げ、祈りは通じ、娘になる夢は叶った。

しかし皮肉な事に器を手に入れたはずなのに、当の本人は器ではなかった。

 

魂は娘たる器を剥奪され、元のあるべき姿に戻る。

 

そんな最中に

 

 

明確な回答が出された。

 

 

果たしてまだ娘足り得るのか、それとも魂は器を汚し、器から娘という肩書きすら剥奪してしまったのか。

 

そんな一つの終止符。

解答は想像通りのものであった。

 

 

 

夢を持つことは悪いことではないが、その為に誰を犠牲にし何を失ったのか。

そんな自己内省が出来ない限り、この話は続いていくのだろう。良くも悪くも薪が望んだように、もう周りに人は居ない。

私も読み続ける気は起きない。だからここで読むことも語ることも終わりにする。

 

ただ一つ、夢を選んだ者の行く末を穢さないことだけを今も願っている。