一升瓶の中の海月

気分で更新される思考の投函口

白昼夢は一定世界を魅せるか

 

ゆめうつつとしりながら、わたしはそらをあおぎみた。

 

 

 

夢に見る世界というのは散発的でありながら、何か1つの大きな世界から成立しているではないかと最近思います。

 

例えば、ある日の夢はどこかで見た夕暮の色をして

例えば、ある日の夢は大切なものを失い

例えば、ある日の夢は届かぬものに手を伸ばした

 

夢は現実を内包しつつ、バグを抱えて、それでも整合性のある世界を演出している。

昔、夢に見た女の子に恋したことがある。

何が不思議かって、そんな子の顔は目覚めた直後ですら思い出すことができなかったことだ。

しかしあの胸の高まりは、あの微笑む顔は、虚構ではなく本物のソレだった。

夏の蝉が鳴きしきる中、林の中で見たものを嘘だとは思いたくない。

 

少なくとも、あの時期は私は夢に恋していた、朧な影に。だからこそ恋なのかもしれない。