一升瓶の中の海月

気分で更新される思考の投函口

バーチャル蠱毒備忘録⑤

 

 

本選の少女たち

 

 

12/1 18:00、こんな混沌とした状況で本選は始まった。

 

レヴちゃんは正直本選に出場をできないと思ってバイトをガンガン入れてしまったという情報を聞いて膝から崩れ落ちたのを覚えている。

でもそれもレヴちゃんらしいなぁ…と思い微笑ましい気持ちで、代わりにちゃんと配信を聞ける体制を整えようと努力した。

 

これだけ熱心になっているのにレヴちゃんの配信を聞いた期間は予選最終日の一日しかないという事実、なので予選期間中ほぼレヴちゃんしか追えなかったこと、本選にあんま配信ができないということから、この空いた本選の時期は他の子の配信を聞くことにした。

 

 

本選になって変わったところが、課金星に関して否定的な見方を取る子が多く見られたことだ。

実際予選最終日はどこも荒れた。結構なペースで課金票が投げられていたらしい、本選にとりあえず上がれればその子の配信が後五日間聞けると考えれば気持ちはわかる。しかも十二名の内五人と考えれば確率は半分、行ける気はする。

そんな予選を乗り越えたので「自分の放送を認めてくれる人が多い」という理由で勝ち上がりたいと思う子が増えたのだろう。それはそうだ、そういうメンタルでなければこのオーディションはただのパトロンガチャになってしまう。

 

 

最初に聞いたのは富次郎だったと記憶している。

富次郎の名前の由来は、ラーメンが好きで一番推しているラーメン屋が「富次郎」という名前だったことらしい。

とりあえず要素がてんこ盛りな子で、リスナーがアキレス腱を奪いにいったり、666人を達成すると「ふりーめーそーん」と統率の取れたコメントをしていたりと、配信自体を聞いていて単純に楽しかった。レヴちゃんが「冬の日にふと感じる木漏れ日」であるのならば「夏の日の太陽」を彷彿とさせた。ハキハキという言葉がここまで似合う子もそうそういないだろう。

 

私が聞いた日はバイト明けの深夜の二時に配信を行っていて、派遣の元にこれから報告書を届けにいくという旨を話しており「同じキャラでもこんなに中身が違う子を入れたのか…」と思った。

 

ただ正直雨ヶ崎笑虹である必要はなさそうと思うのは事実だった。

中身は魅力的だがもっと他に合う外見があるのではないだろうかと思ってしまう。トークスキルも高いので個人で全然やっていける気配も強い。本来と意味とは異なってしまうが、カリスマ性のようなものを纏っていたのは確かだった。二位で上がってきたのも納得だ。是非とも有志のアーカイブを見て欲しい。

 

 

友人が推していたくるぶし様の配信も本選時になってようやく見ることができた。

彼女は「なー」が特徴的な子で一時期友人に口癖が感染って地獄だった。

あれは可愛げのある声だからこそ許されるものであって高身長の二十代坊主が真似していいものではない。

 

配信を見に行ったらマジでレポート配信をやっていて驚いた記憶がある。

話題に関しては昔のネットで流行ったものが多く、おそらく面白フラッシュ倉庫あたりの民だと考えられる。野々村謝罪会見の読み上げも行っていたらしい、友人がその時塔(一本一万円相当の課金星)を建てたら、配信初の塔だったらしく大いに盛り上がった、

何やってんだあいつ。

 

全体的に配信というより溜まり場で、真剣に聞くよりも作業片手間で聞くと捗る系の配信だった。

ツイッター上でもあまり配信と変わらず、ツイッターを見ているだけで配信を聴いている気分になれるためお得(?)で助かるなーという感覚があった。

一方的な配信というよりも双方向のやり取りが活発という点でくるぶし様は強い。何となくその場に居たくなるという感情を沸き立たせるのは意図的には難しい。くるぶし様はナチュラルに出来ているので居心地がいいんだろうなーと思った。

 

 

他にも色んな子をなべて聴いていたのだが、白乃クロミちゃんは声質が似ているような子が多いのとキャラデザが好みでよく声だけ聞き流していた。

 

全て終わってから発覚したのだが白乃クロミNo.6(クロック)が自分が一番どハマりする声質だったりしたが後の祭りであった。